裸足の鉄道員

2017/11/15

黒猫が足元でたわむれる夜には

さわやかな笑顔の彼がやってくる

小指と小指に糸電話

ほそいつながりのお誘いに月と一緒に歌いましょう

奥様は室内履きでお出迎えします

土足の鉄道員をお出迎えします

・・・鉄道員はお客様が大好きです

・・・鉄道員はお客様の言葉なら何でもお聞きします

ここからここまで、ほら、線をひきました、この範囲内にあることでしたら

なんでも 遠慮なく おっしゃってください

東急駅員の耳はとてもやわらかで 

うぶ毛が光に輝いていた

個人的な悩み相談はしないでくださいと書いてあった臨床心理士のブログを

主婦は思い出した

そして目の前のコップを見つめた

紙コップを耳にあててみた

・・・We 鉄道員は・・・奥様、あなたの声を、こころからお聞き申し上げます・・・・

主婦は鉄道員の声にボコーダーのようなエフェクトがかかっているのを

感じた

それはとても優しい東急駅員の声だった

紙コップからふるえ来る声は

漆黒の闇に輝く竹取姫のような色だった

あわい やさしい 声・・・・

そのまま 土足で 鉄道員は 奥さんのなかに・・・・

・・・この世には裸足の鉄道員などおりません

・・・この世には裸の鉄道員などおりません

そして ましてや

この世には・・・・エプロンをつけた髪の毛がフワフワの主婦など

もう いないのだ どこにも・・・・

みんな みんな分厚い氷の向こうにかくれて 

制服だけがプレイしている

月のさやかな竹林で

制服たちが紙コップ

あなたの声を聞いています

というプレイを

している

かろやかで 若々しくて むじゃき

白いリボンが はためいている

それが

東急駅員

ですね